2010年06月07日
ああ、パーフェクト!(MLB誤審にみる危機管理)
ここ2,3日のスポーツニュースでの興味深い記事を紹介しよう。世界中で話題になっているので、スポーツ好きならすでに知っていると思うが、米大リーグで起きた”完全試合を消した誤審”騒動である。大リーグの完全試合は今年すでの2回達成され、その価値が多少目減りした感があるものの、確率的には5万試合に一回、20年に一回ということになる。ちなみに日本では’94年の巨人槙原投手以来16年間達成されていない。騒動の詳細はリンクを張るので読めば分かるが、今回の視点は我々の”応用できる危機管理”に置きたい。ニュースを日常生活にある素材、たとえば他人を傷つけた些細な過ち、あるいは会社の不祥事、混迷する政治等に置き換えて考察しよう。
ニュース1 世紀の大誤審
まずは誤審をしたジム・ジョイス一塁塁審。彼は試合後すぐに誤審を認め、直接ピッチャーのガララーガに謝罪した。大リーグで導入されているビデオ判定はホームランのみで、セーフ、アウトのジャッジは覆らない。にも関わらず彼の素早い対応が、その後ガララーガを完全試合に勝るとも劣らぬ評価をもたらすことに繋げる。パーフェクトゲームを逃したが謝罪を受け入れたガララーガのセリフがニクイ!「ミスをするのが人間。パーフェクトな人間はいない」
ニュース2 謝罪
いい行動は連鎖する。寛容な態度をとったガララーガに対してスポンサーのGM社からコルベット(1500万円相当)が送られた。翌日の試合では主審を務めたジョイスに対して(家族に嫌がらせがあったにも関わらず、プロフェシュナルである)、当然のごとく地元タイガースのファンからヤジが飛んだ。そこで今度は監督がとった行動がニクイ! 試合前に通常は監督がやるメンバー表の交換をガララーガに依頼した。そして・・・。 周囲のバックアップもあって、ガララーガは記録には残せなかったがパーフェクトな記憶を世界中の人に残した。
ニュース3 粋な計らい
素直に過ちを認める勇気、謝罪への行動力。過ちを許す寛容な心。簡単そうで出来ないのが人間である。ミスしても言い訳をしたり、ずるずると謝罪のタイミングを逸したり、怒りにまかせて謝罪を受け入れないのは、悲しいかな、よくある事。それは企業もしかり。昨今の政治にいたってはもう何をか言わんやだ。はたして自分は?会社は?そして日本は? このニュースは”危機管理”のいい教訓になるだろう。
Posted by YUU at 00:57│Comments(0)
│コラム