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2017年08月20日

坂本龍馬とフランス革命

    坂本龍馬とフランス革命
坂本龍馬とフランス革命



 歴史上で好きな人物を一人あげるとしたら”坂本龍馬”という人は多いのではないだろうか。かく言うボクもその一人だ。小説の司馬遼太郎”竜馬がゆく”は有名だが、ボクの龍馬入門は、かれこれ20年前、漫画喫茶で何げなく読んだ、”がんばれ元気”や”あずみ”で有名な小山ゆうの漫画”おーい!竜馬”だった。小難しい歴史モノも、原作が武田鉄也ということもあり、小山ゆうの動画的な画の巧さと相まって結構ハマッた。それがあって、以前出張で京都に行った際、清水寺に近い霊山護国神社にある龍馬と中岡慎太郎の墓にも立ち寄った。「もし、あの時代に坂本龍馬がいなければ・・」「もし暗殺されず明治まで生き抜いていたら・・」「鎖国政策のような北朝鮮をみると、もしかしたら現代の日本そのものが変わっていたのでは・・」などなど、ほんの140年前の歴史の一片をベースに思い描く”モシモ情景”は尽きることがない。司馬小説を読みたいが、長編ということで二の足を踏んでいる方は、読み易い漫画から入ることをオススメだ。


 ところで似たような歴史的出来事が”フランス革命”だ。1868年の明治維新に遡ること約80年前の1789年に始まった同革命で掲げた、自由・平等・同胞愛の近代市民主義諸原理は、その後市民社会や民主主義の土台となったという意味で世界史上大きな意義を持つ。それは士農工商の身分制度をとっていた徳川幕府の終焉となる日本の幕末革命にも少なからず影響を及ぼした。フランス革命はアメリカ独立戦争やマリー・アントワット、皇帝ナポレオンなど、革命時や前後の背景、人物など描写の素材に事欠かないが、世界史、日本史、この二つの革命をリンクさせると、龍馬、西郷隆盛、桂小五郎を始めとする幕末志士の功績が改めて浮き彫りになってくる。

 土佐藩出身の龍馬の最大の功績は、当時大きな力を持っているが犬猿の仲だった薩摩藩と長州藩に同盟を結ばせ朝廷側につけることによって、幕府に対して強力な対抗勢力の官軍にしたことである。もちろん黒船襲来など世情が大きく動いていたこともあるが、そのことが第15代将軍徳川慶喜に大政奉還をせしめ、無血で264年も続いた江戸幕府を終わらせることとなった最大の要因だろう。年表をみても1867年(龍馬没年)までが江戸時代で1868年が明治元年である。龍馬は剣の達人でありながら生涯、人を切ったことがない。くしくも暗殺による龍馬亡き後、新政府軍と旧幕府軍の戊申戦争などあり完全無血というわけではないが、世界的に見ても希有な革命の成果だ。
 対してフランス革命は1789年のバステゥーユ牢獄襲撃を始まりとし5年に及ぶ長期に渡り、さらにルイ16世や王妃マリー・アントワネットのギロチン処刑に象徴されるようにつねに多くの血をみる。さらにナポレオン失脚後には革命で崩壊したブルボン王朝が復活したりと、ヨーロッパ近隣諸国を巻き込んでの不安定な政情から、多くの市民が犠牲になった。

 ここで”モシモ情景”・・・”もしもフランス革命に坂本龍馬がいたら・・・”、思い描くだけで大河ドラマよりワクワクする、ウン!
 小山ゆう
 



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Posted by YUU at 12:05│Comments(0)コラム
 
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