2014年04月02日
Merry X'mas in CampSeals
昨今、テレビの情報番組で基地問題など沖縄関連の話題が取り上げられる。
なるべく客観的なポジションに自分の思考を置くようにしているが、コメンテーター
の意見に、やはり違和感というか地元沖縄との距離感を感じる場合がある。
米軍基地の影響は多角にあるので、一面だけで賛否を問うのは難しい。
それは当事者としてのウチナ~ンチュであれば尚更である。
爆音被害や事件事故の問題がクローズアップされる中、基地関連収入が
沖縄の経済に大きく寄与していることも否定できず、当然それぞれの立場での
ベクトルの違いは致しかたない。
ウチナ~ンチュは、常にジレンマを抱え時代に翻弄されながら、現実を
見据え、それに順応する術を身につけてきた。どちらにしても沖縄における
基地は生活と切り離すことが出来ないのが現実である。
(ボク自身は久米島で物心付いた頃、母国がアメリカと思ってたほど身近に
米兵がおり、いい思い出しか残ってないから、未だ基地に対しての拒否反応
はあまりない)
・・・堅いコラムの様相を呈してきたので、ここは柔らかめのエッセイを一つ。
三十年ほど前、ボクは少しだけ基地関係の仕事をしたことがある。
基地外の”外人住宅”のアパートや一軒家を軍人、軍属に斡旋する不動産
屋の仕事で、当然基地内にも出入りしていた。つたない英会話も必要に迫ら
れると何とかなるもので、慣れると強面の兵隊とも仲良くなり、時々ガーデン
パーティに呼ばれたりした。
ところで嘉手納基地から東南植物楽園に抜けていく途中にキャンプ・シールズ
がある。ここは嘉手納基地ほど重要な施設はなく、911同時テロ以前はゲート
のチェックも厳しくなかった。基地関係の知人とレストランやクラブをよく
利用していたが、パスなしでもゲートの米兵の守衛に”クラブで友人が待って
いる”と言えば、確認なしでたいてい通してくれた。(ちなみに日本人警備員
ではまず無理!)
ある年のクリスマス、職場の従業員でシールズのクラブに繰り出した。
いつにも増して華やかな雰囲気は、まさにアメリカそのもの! 広いホール、
スタッフがサンタなどクリスマスらしい格好でドリンクをサービスして回り、
踊りは昔観た映画のワンシーンを彷彿させる。
アメリカ人に混ざって大きなゼスチュアで踊っていると、小さい頃覚えた、
自分が日本人であることをふっと忘れてしまう、不思議な感覚になる。
ボクが踊り疲れてテーブルに戻ったら、まだティーン・エイジャーに見える
カワイイ金髪の女の子のスタッフが席の近くに来た。そしてクリスマスプレゼント
と言って、手に持っていたハットをボクの頭にかぶせ、
「Merry X'mas!!」
ボクの頭はすっかりアメリカ映画の中。瞬間に出たセリフと行動は、
「Thank you! Merry X'mas!! I don't have a present for you now,So…」
真っ白なホッペにキス!
コンマ2秒後、小さなサンタが、ニコッと笑った。
「Wonderful tonight!」
Posted by YUU at 14:11│Comments(0)
│エッセイ