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2017年08月29日

ヒーロー伝説

   ヒーロー伝説





 わが郷土のスーパースターボクシング具志堅用高は、13度の世界タイトル防衛
記録を樹立し引退すると、解説者として引っぱりだこになった。
 現役時にも増して存在感が強烈になった人物は、彼を置いて他にはいないであろう。

 
『テレビ中継、試合前』
「具志堅さん、同じ郷土出身渡嘉敷選手の今日の防衛戦楽しみですね。
 何か作戦とかありますかね」〈アナが軽いフリを入れる〉
「ちょっつね(やっぱりこれははずせませんね)、秘策とまでは
 言えませんが、二点ほどありますよ」
「ほ~、それはまたどんなことでしょう」
「ええ、まず相手から打たれないことです」
「えっ・あ、はい。するとあと一点は?」
「これが一番大切なことですが、相手が倒れるまで打ち続けること!」
〈具志堅の顔は解説者としての自信がにじみ出て、渋い!〉
「な、なるほど。」〈ツッこまないところはさすがプロのアナ。その代わり変なフリを〉
 それは、もしかしたら具志堅さんが現役の時も・・」
「そうですよ!」〈わが意を得たり、とトーンが高くなる具志堅〉
「う~ん、そこがチャンピオンの強さの秘訣だったんですね」
〈視聴者がツッこみたくなるような・・〉

『試合は乱打戦になり多いに盛り上がってきた』
 〈尚、字幕はカットしますので、ウチナ~ンチュ以外は翻訳ソフトをご利用下さい〉
「あっ、あぶない!ロープ際、これは効いているんじゃないですか?具志堅さん」
「足、足を使え!回れー!」〈聞いてない。一観客になっている〉
「ふ~、何とかしのいだ。あっ渡嘉敷、今度は一転攻勢に出た!」
「イケー!アギジェ!ちらチャーたたち!・・トー、なまやさ!」
「えっ!」〈アナ、具志堅が気になる〉
「しーヒャー、タックルセー!はっしぇ、ちゅーばー!」
〈とうとう、具志堅の上半身がファイティングポーズと前後左右に俊敏に動いている〉
「ぐっ、具志堅さん・・」
『沖縄・・テレビの前』
「あぎじゃびよい!」「ぃえーヒャー!」「あぃえなぁ~!」

 ―やがてボクシングの解説席、具志堅の隣に郡司さんが付くようになった。
 そして沖縄を連想するキャラクターとして、ハブ、シーサーにグッシー僕ボクサー
加わった。



 
              


タグ :具志堅用高
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